桐谷くんの心をハイジャックしてきます。
同じものが入ったお弁当を、2人で食べ始めた。
『ごちそーさん』
「うん」
すっからかんになったそれを受け取ると、『ねみー』と言いながら寝転がる律希。
それに習えと、あたしも横に寝転がる。
『……パンツ見える』
「大丈夫」
『…はぁー』
聞く耳を持たないあたしに、深々とため息を吐いてみせる律希。
あと30分で一時、授業が始まる時間になる。
「律希ー」
『あ?』
「……明日からお弁当作らないって、言ったらどうする?」
『……こうする』
ニヤリ、含み笑いを見せた律希にえ?、と返せば。
ほんの数秒で、律希に組み敷かれているあたし。
………何故。
たった数秒で何が起こったのかは眼前にある律希の顔を見れば、火を見るよりも明らかで。
つまりは、寝転がっているあたしに律希が馬乗りになっていて、尚且つあたしの顔の横に伸びた腕はあたしの両手首を固定している。
そして、話は冒頭に戻る。
「……この体勢、なに?」
『何だろうな』
ニヒルな笑みを見せる男に、顔を引きつらせた女。
その状況に置かれているのはあたしで、その原因を作ったのもあたし。