久遠の花〜 the story of blood~
/4
/4
夜中に出れるよう、私は準備をしていた。
とは言っても、普段どおり過ごして、部屋で迎えが来るのを待ってるだけなんだけど。
「――まだ来ない、か」
時計の針が、ちょうど十時をさす。
来るのは十一時ぐらいだから、まだ一時間も余裕がある。特にすることもないので、ベッドに寝転がりながら時間を潰していた。
そうしていると……段々心地いい気分になってきて。次第に、睡魔から手招きをされ始める。
「――――ん…」
頭に、微かな重みを感じる。
何度か瞬きをして見れば、誰かがいるように見えた。
「――起こして悪いが、そろそろ」
時間だと、目の前の人物は言う。
目を擦り視界をはっきりさせれば――そこにいたのは、月神君。
時間なのかと時計に視線を向ければ、
「?――――!?」
もう、十一時を三十分も過ぎていた。
「ごご、ごめんなさい!」
眠ってしまったことを悔いた私は、その場で思わず正座をして頭を下げた。
「いや、そんなに謝る必要はないから」
「で、でも……約束の時間が」
「大丈夫。向こうには連絡済みだ」
夜中に出れるよう、私は準備をしていた。
とは言っても、普段どおり過ごして、部屋で迎えが来るのを待ってるだけなんだけど。
「――まだ来ない、か」
時計の針が、ちょうど十時をさす。
来るのは十一時ぐらいだから、まだ一時間も余裕がある。特にすることもないので、ベッドに寝転がりながら時間を潰していた。
そうしていると……段々心地いい気分になってきて。次第に、睡魔から手招きをされ始める。
「――――ん…」
頭に、微かな重みを感じる。
何度か瞬きをして見れば、誰かがいるように見えた。
「――起こして悪いが、そろそろ」
時間だと、目の前の人物は言う。
目を擦り視界をはっきりさせれば――そこにいたのは、月神君。
時間なのかと時計に視線を向ければ、
「?――――!?」
もう、十一時を三十分も過ぎていた。
「ごご、ごめんなさい!」
眠ってしまったことを悔いた私は、その場で思わず正座をして頭を下げた。
「いや、そんなに謝る必要はないから」
「で、でも……約束の時間が」
「大丈夫。向こうには連絡済みだ」