久遠の花〜 the story of blood~
〝――――それを望むなら〟
人間の信仰を受け、ソレは望む姿を取ります。
破壊。呪い。疫病。強姦。殺人……。
あらゆる悪行に、ソレの名が使われました。
そして人間は、時に、同じ仲間にそれを行いしました。
たった一人に全てをなすりつけ、その人間を、ソレの化身だと謳い殺したのです。
それを見て、ソレは絶望しました。
もう関わることはしないと決め、薄暗い森の奥へと姿を消したのです。
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ただ、話してみたかった。
ただ、笑ってほしかった。
ただ――…。
自由に、なってほしかった。
全知全能だとお前たちは言う。
しかし、干渉出来る事には限りがある。
全ての願いは叶えられない。
全てのモノを救えない。
叶えるには、相応の対価と運がいる。
崇めるモノ――全てはその一存。一生願い続けようやく叶うものもあれば、願った瞬間叶うものもある。
思いどおりにいかないからと、信じるモノを貶(おとし)めようなど。
何故……大事なモノを奪う。
何故……眠らせてくれない。
これ以上――何を望む。