久遠の花〜 the story of blood~
/7
/7
辿り着いた先にあったもの。それは、空に届くほど高くそびえる塔。神々しい雰囲気だが、少し離れると、辺りには黒い霧のようなものが蠢いている……。
今のところ体に異常は無いが、アレには触れない方がいいだろう。
「妙な空間だねぇ~」
帰れるといいけど、と少年は苦笑いを浮かべる。
「門を護る者もいない、か」
それだけ自信があるのか。それとも――。
「何にせよ、楽して入れるならいいじゃん。こっちが油断しなきゃいいんだし」
気を引き締め、塔の中へ足を踏み入れれば――。
「っ――なん、で」
鉄格子を揺らす音。
言葉にならない叫び。
今見える全ては、ここに在るはずの無い――オレが産まれた場所と、同じ空間が広がっていた。
「いきなり実験場だなんて、歪な造りしてるね」
間違いなくあの場所だ。でも……どうしてこの場所に。
「――――ねじれてる」
ぽつり、使い魔が呟く。
「空間だけじゃない。おそらく、ここに流れる時間も違う」
「君たちが挑む相手ってのは、かなり手強いやつだね」
「歪んでいるなら、美咲の居場所はどうなる?」
「問題無いが……あまりいいとは言えない」
時々気配を見失うらしく、その度に多く力を使うらしい。だからあまり戦闘では期待するなと、念を押された。
辿り着いた先にあったもの。それは、空に届くほど高くそびえる塔。神々しい雰囲気だが、少し離れると、辺りには黒い霧のようなものが蠢いている……。
今のところ体に異常は無いが、アレには触れない方がいいだろう。
「妙な空間だねぇ~」
帰れるといいけど、と少年は苦笑いを浮かべる。
「門を護る者もいない、か」
それだけ自信があるのか。それとも――。
「何にせよ、楽して入れるならいいじゃん。こっちが油断しなきゃいいんだし」
気を引き締め、塔の中へ足を踏み入れれば――。
「っ――なん、で」
鉄格子を揺らす音。
言葉にならない叫び。
今見える全ては、ここに在るはずの無い――オレが産まれた場所と、同じ空間が広がっていた。
「いきなり実験場だなんて、歪な造りしてるね」
間違いなくあの場所だ。でも……どうしてこの場所に。
「――――ねじれてる」
ぽつり、使い魔が呟く。
「空間だけじゃない。おそらく、ここに流れる時間も違う」
「君たちが挑む相手ってのは、かなり手強いやつだね」
「歪んでいるなら、美咲の居場所はどうなる?」
「問題無いが……あまりいいとは言えない」
時々気配を見失うらしく、その度に多く力を使うらしい。だからあまり戦闘では期待するなと、念を押された。