wild poker~ワイルドポーカー~
「い、言ってる事がよく分かんないんだけど。大体何で俺がここに来たばっかりって分かったんだよ!!」
疑いしか持たない俺のその問い掛けに、男は面倒臭そうに深い溜息を吐く。
「スペードのJは昨日死んだばかりだ。だから少なくともお前は、その後にこの世界に入った事になる。だから新人だと分かった。……これで満足か?」
そう言って男は馬鹿にした様に鼻で笑うと、俺に背を向け歩いて行ってしまう。
「おい!!ちょっと待ってってば!!」
そう後ろから声を掛けるが、男は振り向かない。
「……くっそ」
どんどんと離れて行ってしまう男の背中を見つめながら小さく舌打ちをすると、地面に投げっ放しのカードを拾った。
……これ以上無い位に怪しく、胡散臭い。
だけど、少なくともあの男は知っている。
……この異様な世界の事を。
そんな事を考えながらグッと息を呑むと、そのまま男の後を追って走り出した。