幼なじみじゃイヤなんだ。
どんな風に大切で、
どんな存在なのか?
今まで側にいるのが、いてくれるのが当たり前で考えた事もなかった。
「どうして、最近自分が変なのかを、よく考えたら自然と答えなんて見つかるよ」
「うん……」
「だいぶ、こんがらがってるみたいだけれど?」
「……うん」
早苗は「しょうがないな」と言いながら笑った。
そして肩に手を置いて言ってくれた。
「まぁでも、桜のペースでいいんじゃない?桜が話したい事がある時は、あたしはいつでも聞いたげるよ。一晩中だって聞いてあげるよ。その内、答えはきっと見つかるから。ね、元気出して!」
泣きそうになる。
早苗の言葉で心が晴れていく。
「早苗ありがとう……」
「じゃあ、そろそろ大石を見ようか」
早苗は私の顔を両手で挟み、ベンチの方にグイっと向けた。
その瞬間、試合開始のホイッスルがグラウンドに鳴り響いた。