幼なじみじゃイヤなんだ。
「え?そんな顔?」





首を傾げていると、私の腕を解放してから上坂くんは言った。





「鏡、持ってる?」





持ってるよ、持っているけれど何か変?


私はバッグの中から急いで鏡を取り出し、覗きこんだ。





「わぁぁぁ!!」





鏡の中の自分を見て思わず叫ぶ。




私はまだ、経験期間が少なくて知らなかった。


それが、たとえ“ウォータープルーフ”と名の付いたマスカラだったとしても、


あんなに大泣きした上に、ごしごし擦(こす)ればどんな惨劇になるのかを…。






「・・う・・・うわぁ・・・わっわわぁ・・・み、み、見ないでぇっ・・・上坂くん!」


「もう遅いよ。がっつり見たから」





上坂くんが笑う。





「・・・ど、ど、どうしよう・・・取り敢えず、トイレ・・・トイレに行ってから帰るから、上坂くん先に帰ってて」





は、恥ずかしい!!


上坂くんに見えない様に顔を伏せながら、その場を去ろうとした私の両腕がまた上坂くんに掴まれた。
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