One Night Lovers
トシユキは心底驚いた顔をしていた。それは当然だ。
カジケンことカジヤマケンセイは今年大河ドラマの準主役に抜擢され、この数ヶ月で一気にブレイクした若手俳優だった。
長身で整った小顔、スポーツ万能で有名大学を出ている。タレントとして人気を集めそうな要素ばかりを持っていた。
「え、カジケンと付き合ってたのって、ネネちゃん?」
小声でトシユキが言うとネネはクスッと笑う。
「まさか」
「ってことは……」
トシユキとケイゴの視線が同時に私に降り注いだ。
これ以上ないくらい小さく首を縮めてうつむくが、亀ではないので頭まで完全に隠れることはできない。
「ルリちゃん? マジで?」
「もう別れたけど」
消え入りそうな声で言った。
チラッと目を上げると険しい顔をしたケイゴと目が合う。今はサングラスの代わりに黒の角ばったフレームの眼鏡をかけている。
サングラスを外した彼の顔は一言で言うと綺麗な顔だった。
垂れ目気味で黙っていると少し寂しげに見えるところなんかは、思わず目が離せなくなる。
これでこんな明るい金髪でなければもっと印象は違うだろうと思う。そしてせっかく綺麗な顔なのに眼鏡がアンバランスで邪魔だった。
カジケンことカジヤマケンセイは今年大河ドラマの準主役に抜擢され、この数ヶ月で一気にブレイクした若手俳優だった。
長身で整った小顔、スポーツ万能で有名大学を出ている。タレントとして人気を集めそうな要素ばかりを持っていた。
「え、カジケンと付き合ってたのって、ネネちゃん?」
小声でトシユキが言うとネネはクスッと笑う。
「まさか」
「ってことは……」
トシユキとケイゴの視線が同時に私に降り注いだ。
これ以上ないくらい小さく首を縮めてうつむくが、亀ではないので頭まで完全に隠れることはできない。
「ルリちゃん? マジで?」
「もう別れたけど」
消え入りそうな声で言った。
チラッと目を上げると険しい顔をしたケイゴと目が合う。今はサングラスの代わりに黒の角ばったフレームの眼鏡をかけている。
サングラスを外した彼の顔は一言で言うと綺麗な顔だった。
垂れ目気味で黙っていると少し寂しげに見えるところなんかは、思わず目が離せなくなる。
これでこんな明るい金髪でなければもっと印象は違うだろうと思う。そしてせっかく綺麗な顔なのに眼鏡がアンバランスで邪魔だった。