One Night Lovers
「そうなのよ! ルリみたいにかわいくてできた彼女を『忙しくて会えないから』って理由で振るなんて、ちょっと人気が出たからっていい気になりすぎ!」
「ネネ、声が大きいよ」
身を乗り出して熱弁をふるうネネの肩を押し留めるように抱くと、彼女から強いアルコール臭が漂ってくる。
「そんな理由?」
ケイゴが静かに言った。私はその目を見つめ返す。
「私が直接聞いたのは、ね」
「ふーん」
つまらなさそうにケイゴはグラスを傾けた。言葉のニュアンスで本当の理由が別にあるとわかったようだ。
はっきりと確かめたわけではないが、1年位前から二股を掛けられていたらしい。不思議とそういうことを親切に教えてくれる人がいて、知りたくもないのに知ってしまったのだ。
よせばいいのに私は彼の気持ちを引き止めたいがために、無駄な足掻きを繰り返した。
彼はそんな私をうっとうしく思い始め、会う間隔がどんどん開いていき、最後に「忙しくて会えないから別れよう」と言われたのだった。
場が妙にしんみりしてしまい、私は慌てた。
「やだなぁ、皆そんな顔して。私はもう何とも思ってないの。あの人、人気出てホントよかったよね。私としてはこうしてネタにもなるから、もっともっと有名になってほしいって思ってるし」
「ルリちゃん、君、ホントいい子だね」
斜め向かいからすっかり感激した様子のトシユキが握手を求めてきた。
苦笑しながら私も手を伸ばす。固く握った手をブンブンと数回振るとパッと解放された。
「ネネ、声が大きいよ」
身を乗り出して熱弁をふるうネネの肩を押し留めるように抱くと、彼女から強いアルコール臭が漂ってくる。
「そんな理由?」
ケイゴが静かに言った。私はその目を見つめ返す。
「私が直接聞いたのは、ね」
「ふーん」
つまらなさそうにケイゴはグラスを傾けた。言葉のニュアンスで本当の理由が別にあるとわかったようだ。
はっきりと確かめたわけではないが、1年位前から二股を掛けられていたらしい。不思議とそういうことを親切に教えてくれる人がいて、知りたくもないのに知ってしまったのだ。
よせばいいのに私は彼の気持ちを引き止めたいがために、無駄な足掻きを繰り返した。
彼はそんな私をうっとうしく思い始め、会う間隔がどんどん開いていき、最後に「忙しくて会えないから別れよう」と言われたのだった。
場が妙にしんみりしてしまい、私は慌てた。
「やだなぁ、皆そんな顔して。私はもう何とも思ってないの。あの人、人気出てホントよかったよね。私としてはこうしてネタにもなるから、もっともっと有名になってほしいって思ってるし」
「ルリちゃん、君、ホントいい子だね」
斜め向かいからすっかり感激した様子のトシユキが握手を求めてきた。
苦笑しながら私も手を伸ばす。固く握った手をブンブンと数回振るとパッと解放された。