甘い恋 〔完〕
お母さん...お父さん



『話って何?』とそっけなく答えると

どうしたの?と聞かれた。



『学校一週間も休んで…なんかあった?
 最近心配で、夜も眠れなくて・・・
 美輝、お願い、なにがあったの?』


と涙目でお父さんとお母さんが聞いてきた。

こんな思いさせたくない、本当の事話すべきだよね。


『実はね、学校でアタシいじめられてるの。
川瀬財閥の川瀬涼也君って同じクラスなんだけど、
アタシ、その子と仲いいの、

それでね?その子、凄くカッコよくて
で、女子に[川瀬君の前からいなくなれ・死ね・消えろ]とか
シューズと机に油性ペンで書かれてて…

もう、辛くて…ヒック。ごめんね、こんなに弱い人間で』


アタシはもう、泣きじゃくって話せなかった。




お父さんとお母さんはそうだったのか…話してくれてありがとう。

学校は後、少し休むの?と聞いて来たもんで、

『後、一週間ぐらい休ませてください』と言った。




アタシは結局2週間休んだ。



でも、その間、なにも起きなかったわけじゃなかった。
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