シブヤクーロン
 
 依子と仲良くなる一方で、時間の合わない美麗さんとの距離は相変わらずだった。


顔を合わせたらやさしく声をかけてくれるけど、まだ全然甘えたり慕ったり出来ずにいる。


 それでも幸せだ。そう思うくらい本当に素敵な女性。
ふたりきりになると真っ赤になる。
同性愛はないはずなんだけど、ドキドキして上手く話せない。

こんなの、初めてだ。 



 ある日、あたしは熱を出して仕事を休んだ。
この日は夜勤だったが、同じく夜勤の美麗さんも休んで看病してくれた。



「大丈夫?顔色いいのにねぇ‥まだ熱いわね‥」



そう言って顔を近づけてくる。
そんなんされるからまた熱が‥。



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