シブヤクーロン
 
 この強面おじさん、どうも慣れないわ。
二人きりはかなり辛い。


だけど今日は、何だか腰が低い。
まだ全然しゃべってないのにそれが分かる。



「智子が迷惑かけて、本当にすまなかった。」
 
「‥それは依子に‥ああ、でも、安田さんは何も、、、」
 
「呼ばなきゃな、依子。」


 安田の連絡網はすごい。
たった一件の店に電話しただけで、うちにいるからすぐ帰すよって違う店から連絡が来て、依子はあっさり帰された。


依子かなりふてくされてる。



「も~‥頼んだ酒一気飲みするひまもなかったんだけどぉ‥おっさんこわぁ。」

「悪かったな。依子を‥智子をあんな目に遭わせたのは俺のせいだ。」



美麗さんの話が出ると、依子は固まった。
安田を背にして、きつく抱いた。



「何か教えてくれるみたい。大丈夫。あたしが安田さん見てるから、聞こう。」


 安田は依子に頭を下げて話し始めた。


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