シブヤクーロン
 
 家が欲しいのは依子も同じだった。
もう少し、もう少しと言い聞かせて1ヶ月耐えてきた。


やっぱり美麗さんは帰って来ないから‥

途中から大丈夫じゃね?
なんて具合になってきて、依子もあたしもすっかり元気に元通り。



 主人のいない家にいながらやりたい放題。
吹っ切れた勢いは凄い。


渋谷に住んでるのに、毎晩渋谷で遊んで朝帰り(笑)

でもさすがに今夜は‥
お給料出たから、赤字を補わねば。



「お疲れ~。今夜も行くっしょ?」

「あのねぇ‥依子‥せっかく給料出たのに‥」
 
「は?給料出たら遊ぶの普通じゃん?」



 依子はひとりで遊びに行ってしまった。
まぁ元気なのは安心だけど。


 家に着くと、外で安田が待っていた。



「依子はまた行ったか。」

「はい(笑)」

「はぁ‥急いでるのに。」


安田は頭を抱えてうなだれた。



「どうしたんですか?」

「何度もごめんな。また引っ越してくれ。」



もう、またなんか悪い事が起きたとすぐ分かった。


慣れたよ、もう。


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