シブヤクーロン
翌日、久しぶりによりと出かけた。もうすぐクリスマスだからツリーを買いに行こうって、あと1週間なのに。よりはあたしの手を引っ張って、楽しそう。
銀座に行くからお洒落しなくちゃなんて…彼女はどんどん派手になっている。
お化粧も上手だし、まあまあ似合ってる。
でも、なんだか、ちょっとずつ遠くにいってしまった感じ。
歩いてるとこのペンダントはこのお店のなんだとか、店頭に飾ってあるのと同じバッグ持つのは恥ずかしいとか。
「ここ、ここ。雑誌に載ってたお店。…ゆり?」
「あ、うん。入ろうか。」
クリスマスツリーって、スーパーのおもちゃ売り場で買うもんだと思ってた。
宝石やさんと並ぶお洒落すぎる雑貨屋さんの窓に写ったあたしは、そのスーパーへ行けるような格好だ。
よりは、隣のお店が似合う格好。
「ね、1週間しか飾らないんだから、小さいのでいいよね?」
あたしの声が届かないのか、よりは大きなツリーに釘付け。
ずっと上向いてうっとりしちゃってる。
「うちのツリー、すごかったんだよ。これよりおっきくて、てっぺんの星はクリスタルなの。飾りも全部キラキラしてて。だから落としちゃいけないって、飾り付けさせてもらえなかった。」
きっとお金持ちの子なんだな。
よりも本当は子どもっぽい飾り付けのツリーがいいのだろうか。
そう思っていると、
「絶対うちのより豪華にしてやる!」
結局、きっとよりのクラブに飾ってそうな、キラッキラなオーナメントをたくさん買ったのだった。
「ゆり、疲れさせちゃった?お茶でもしてこうか。」
「缶コーヒーでいいよ。早く帰って飾らなきゃ。」