妄毒シチュー

「ねぇ、コータ」

トイレのドアの前に立ち、中に籠るコータに声をかける。

「もし、何か願いが叶うとしたら、コータは何を願う?」



あたしの突拍子もない質問に、コータは少し考えた後で

「とりあえず、正露丸をくださいって願う」

と答えた。

「バカみたい!」

あんまり情けない答えに、あたしはゲラゲラとお腹を抱えて笑う。

「じゃあ、胃腸を強くしてください」

「カッコ悪い!!」

「くそう!
頑丈な胃を持つ奴に、胃腸の弱い俺の気持ちなんてわかんねーよ」

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