妄毒シチュー

「は?何にもしらない相手を好きになって、ロクにしゃべったこともないのにあたしの事を振ったの!?」

てっきりその相手ともういい感じになったから別れようって言われたんだと思ってたのに。
あたしが言うのもなんだけど、もうちょっと要領よく出来ないのかコイツは。


「だって、俺本当にミナの事大切だったから。
少しでもやましい気持ちがあるのに黙って付き合ってるなんて、出来なかったから……」


ああ、そうだ。
コータは本当に嘘がつけない不器用な奴だった。






「ミナと一緒にいられて幸せだった。本当に」

真剣なコータの言葉に思わず胸が熱くなったけど

「トイレの中からそんな事言われても、マヌケ過ぎて全然嬉しくない」

照れ隠しに意地悪な事を言って笑った。

< 105 / 122 >

この作品をシェア

pagetop