妄毒シチュー

「あ、ミナ。髪切ったんだな」

そんな事をのんびり言うコータを無視して、思わず背伸びをしてその左頬に触った。

「ど、どしたの?この顔……!」

誰かに殴られたかのように真っ赤に腫れた、コータの左頬。
あたしがそこにそっと触ると、痛そうにびくりと肩を震わせた。



「殴られたんだよ。さっき」

「殴られたって、誰に?」

「弟に。
偶然ここの近くで会って、理由も言わずにいきなり殴られた」



弟って……


カチリ。
頭の中で音がして、一気に思考回路がつながった。
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