妄毒シチュー

「もしかして……」


あたしは慌てて辺りを見回して、部屋の隅においてあったコータの荷物を詰め込んだごみ袋に駆け寄った。

その中から捨てられた古い写真を拾い上げ、そこに並ぶ三人の顔をよく見る。


「もしかして、コータの弟ってニセ天使!?」


白クマの檻の前で笑う親子。
真ん中にはまるでクマのようなコータ。

そしてその右隣には、女の子のような可愛い顔をした弟。


「は?ニセ天使ってなんだよ。全然意味わかんない」

「あ、ニセ天使じゃなくって。ええと、美容師?」

「ああ、美容師の見習いしてる」
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