妄毒シチュー








「はい」

水を入れたコップと正露丸を手渡すと、コータはありがとうと言って丸い黒い薬を飲んだ。

独特のニオイ。
なんだか懐かしい気分になる。


「ねぇ、コータ」

「なに?」

「もし、願いが叶うならあたしはコータの不幸を願うよ」


あたしが笑ってそう言うと、コータは腫れた左頬を擦りながら

「ひでーなぁ」

と苦笑いした。
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