妄毒シチュー
「ただ、ちょっと古い牛乳使っただけだよ。
火を通してるし、別に大丈夫だと思う」
あたしがそう言って笑うと
「なぁんだ」
自称天使も安心したように笑って、スプーンの上のジャガイモを大きな口で食べた。
「元カレがね、図体はクマみたいに大きいクセに胃腸が弱くて、古い牛乳飲んだらすぐお腹壊す奴だったから。最後に嫌がらせしてやろうとしただけ」
「へぇー……」
口いっぱいにほお張ったジャガイモを飲み込むと、首を傾げてアタシを見た。
「ねぇ、ミナちゃん。元カレってどんな男だったの?」
「んー……?
そうだなぁ、あんたとは正反対のタイプだった」