妄毒シチュー

「俺とは正反対?」

「そう。ちょっと冷蔵庫からビール取って」

「はいはい」


冷蔵庫の中で冷たく冷やされた5本目のビールを受け取り、出窓の窓枠であぐらをかく。

「体がでっかくてごっつくて、男らしい外見なのに、笑えるくらい押しが弱くて、不器用で、優しくて、胃腸が弱くて……」



昨日までは彼氏だったコータの事を思い出す。

嘘がつけなくて、隠し事が下手な男。




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