妄毒シチュー

昨日。

コータの家でいつものようにダラダラとテレビを見ていた時、なんとなく感じてしまった彼の態度のぎこちなさ。

『なんか今日のコータ変だね。なにかあった?
また胃腸の調子でも悪いの?』

なんて、冗談半分でコータにそうたずねたら
突然床に手をつき、大きな体を折り曲げて床に額が付きそうな勢いで

『ごめん、ミナ。好きな人が出来たんだ』

そう謝られた。



反則だ。不意打ちにも程がある。
こちらの心の準備とか一切関係なしに、最初から土下座なんてされたら文句を言う言葉も見つからない。

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