妄毒シチュー

細く儚げでとっても綺麗なお母さん。
お母さんそっくりの、女の子みたいな顔立ちの可愛い弟。

その間でピースサインを作る、白クマみたいにのっそりとした風貌のコータ。



『ぜんっぜん似てない!コータだけ似てない!
あんた、お母さんと弟より後ろの檻の中の白クマのほうがよっぽど似てるんだけど!!』


コータの部屋で偶然この写真を見つけた時、コータひとりだけがあまりにも似てなさすぎて思わずそう叫んだ。
涙を流しながらゲラゲラ笑うあたしに

『しょうがねーだろ!俺は親父似なんだよ!!』

コータは顔を真っ赤にして怒ってたっけ。

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