妄毒シチュー

全開の窓に近づいていつもの様に出窓の窓枠に腰を下ろすと、足をぷらぷらさせながら眩しい青空を見上げた。

視界の端っこで、開いた窓ガラスにアパートに向かって歩いてくる人影が写る。
すらりと背の高い、茶色い頭の男。
お酒の入ったビニールをぶらさげて歩いてくる自称天使。


「あ……!」


ガラスに写る左右反転した姿。



かちり、と頭の中で
何かがぴったりとはまった音がした。

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