天使のような笑顔で

去り際にチラッと視界に入って来た彼女は、一緒にいた友達と何か話してるようで。

もう、こっちを見てはいなかった。


あんな子がいたなんて、今まで全然気がつかなかった。

クラスが離れてるからなんだろうけど。


何て名前なんだろうか?

どんな子なんだろうか?


彼氏は…いるんだろうか?


突然現れた、安以の化身のような彼女。

一瞬にして、彼女は俺の脳内を支配してしまった。


安以がいなくなってしまって、少し空いていた胸の穴。

それが、彼女によって埋まりそうな気がして。


天使が…戻って来てくれた。


馬鹿げてるけど、そんな風に思ってしまったんだ。









半年後。


俺は、その彼女とつき合うようになり。

その彼女を…小学生に奪われてしまう。


もちろん、今の俺はそんな事を知る由も無かったんだけどさ。





                              【完】
< 122 / 123 >

この作品をシェア

pagetop