天使のような笑顔で

jealousy

そして、その日から。

俺は、安以の事を避けるようになっていた。


話しかけられても無視してどこかに行ったり、顔を合わせないようにしたり。


そのうち夏休みになれば、彼女とも会わなくてすむ。

それまでの辛抱だと自分に言い聞かせて。







「お前と彼女、一体どうなってんだよ?」


夏休み目前のある日。


またもや生徒会室に連れてこられた俺は、購買で買ったパンとコーヒー牛乳を持参している。


「彼女って?」


焼きそばパンを頬張りながら、そう問い返した。


「桜庭さんだよ。まだ仲直りしてないのかよ?」


何やら帳簿を付けながら、和也はそう言った。

だけど、アイツは勘違いしてる。


俺らはケンカしてるんじゃなくて、俺が一方的に避けてるだけなんだ。

安以は…何も悪くない。


「別に、ケンカしてないよ」


パックのコーヒー牛乳で、パンを流し込んだ。

ほんの少しのやましさも、一緒に流し込む。
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