猫に恋する物語
*第十三幕
私が完全に沈黙してしまったのを見てシルエットはハッと気がついたように体を強張らせた。


シルエットの顔がみるみる後悔の念に染め上がるのを私は茫然と見ていた。

心の奥で、完全に冷たくなってしまったシルエットの瞳がまた温かみを帯びているのに安心した。


しかし心臓はまだ胸を激しく叩いている。一向におさまる様子もない。



お互いに沈黙し合ったまま、どちらからともクチを開けずどうしたものかと迷っていると□が助け船をだすどころかその船を壊すような真似をした。


火に油を注ぐといいますか、まぁそんな感じの発言を。



□私も働きたいな。

ポツリと呟いた。

今シルエットが言っていたことを聞いたうえでのセリフなのか。
私はおもわず□を凝視する。

すると、□と目線が合った。

□私は、働きたい。

今度ははっきりそう言った。
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