体だけでも繋ぎ止めたい



気付いてしまったら
もう戻れない。



自然とため息が出た。


「本当……今日は朝から最悪」


「は…朝!?」



いつものトーンに戻った優夜の声。



「朝ってオレ?」


「他に誰がいるのよ」



そしてまた始まる
マシンガントーク。


やっぱり、優夜にはこの調子が似合う。


いつの間にか涙は止まっていて
優夜の話を流すんじゃなくしっかり聞く私がいる。


なんで優夜は、私のことに気付いてくれたんだろう……


私はいつから
限界だったのかな……


優夜が、笑顔で話すその姿を見て
私まで笑顔になる。


私、ちゃんと笑ってる。


いつからかなくなった自分の表情が
嘘かのように緩くなっていく。



「このまま連れ去ったら怒られるかな」


「え?」



この男は笑顔で
なに言ってんだ……



「もうそろ、戻ろっか」


フッと鼻でわらうと

何事もなかったかのようにそう言って
立ち上がった。



この男がチャラ男だって

忘れてた……


さっきの言葉も冗談なのに
つい本気にするところだった。




でも


その言葉に
少しだけ期待した自分がいる。



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