~とある教師と優等生の恋物語~
もしタローが倉澤先生の言った通り、俺が絵を描くのを望んでいたとして――


“お前のあの賞状と楯と絵、燃やそうかなって思ったんだけど。

そんな事して嫉妬してるとか思われるのもしゃくだから、お前のアパートに送っといたから”


“ジローが泣くのが好きだから。お前を傷つけたいから、でしょ、やっぱり”


ずっと――

あの絵を捨てないでいてくれるのが、タローの優しさだと思ってた。


「傷つけたいから俺がジローを傷つけた」と「泣かせたいから俺が泣かせた」と、

暗に“俺のせいだ”と

いつも不器用なやり方で罪の意識を背負ってくれているタローを分かっているつもりだったけど。


(アイツだけじゃないのかよ……)


どうやら、俺の周りは殺人的に不器用なヤツがもう一名いたらしい。


(人生は迷路のようで……)
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