秘密恋愛
カフェを出た私とレイナさんは病院に向かって歩いた。
駅前の信号を渡り、5分ほど歩いたところに病院はあった。
個人の産婦人科医院。
コンクリートの打ちっ放しのオシャレな外観は、周りの建物に比べて一際目立っていた。
「ここの先生ね、私のお客さんなんだ」
「そうなんですか?」
「うん。私も時々、お世話になってるの」
「えっ?」
お世話になってるって、まさか……。
「あぁ!違う違う!私は妊娠は1度もしたことないよ」
レイナさんは慌てて否定した。
「そ、そうなんですね」
「ほら、まぁ、職業柄いろいろあるからね。それで……。まぁ、産婦人科でお世話になってるって聞いたら妊娠を想像しちゃうよね」
レイナさんはそう言ってクスリと笑った。
「ゴメン、なさい……」
「いいの、いいの。謝らないで?あ、ここの先生ね、いらないことは聞いて来ないし、詮索もしない人だから安心してね。だから私の仕事仲間も通ってるの」
「そうなんですね」
未成年が妊娠したとわかったら、あれこれ聞かれると思っていた。
でも、レイナさんの言葉を聞いて安心した自分がいた。