秘密恋愛




「僕は、絶対に捕まらないよ」



そう言って笑う聖夜さん。


その自信はどこから来るんだろう……。


日本の警察は優秀だって聞いたことある。


それなのに捕まらないって言い切る彼は……。



「目撃者は雪乃しかいないんだ。その唯一の目撃者であるキミは僕と一緒にいる。それにね、証拠は何も残してないしね」



そうだけど、それだけでホントに捕まらないの?


証拠は残してないって言っても……。


……って、目撃者は、もう1人いたはず。


公園で私とぶつかった男。


怯えたような目。



「雪乃?何考えてるの?」


「えっ?い、いや別に何も……」



聖夜さんは罪の意識があまりない感じに思える。


もし、目撃者が、もう1人いたことを言ったら……。


その人を探しだして殺めてしまうかもしれない。


もう、これ以上、人が殺されるのは嫌だ。


それに聖夜さんにも、これ以上……。




< 39 / 318 >

この作品をシェア

pagetop