もっと溺愛以上
夕食のかたづけを終えて、しばらくは四人でテレビを見たり、のんびりしていた。
けれど、退院したばかりの母さんは、疲れるのも早く、そんな母さんを気遣う父さんに、無理矢理寝室に連れて行かれた。
愛する母さんが家に戻ってきて、父さんは嬉しくてたまらないんだろうな。
……本当、いつまでも恋人気分でいいよね。
軽く笑って、呆れながら息をついた。
そしてすぐに、有星とふたりきりだという事に気付いて、なんだか居心地が悪くなってしまった。
「宿題があるから、私は部屋に行くけど……有星も早く寝るんだよ」
夕食の時の話の流を考えると、私の有星への気持ちは、既に見透かされてるようだから、なんだか照れ臭い。何をどうしゃべっていいのかわからない。
「じゃ、おやすみ」
有星の返事も聞かず、いそいそとソファから立ち上がって、自分の部屋に向かう。
二階の自分の部屋に入って、ドアを閉めた途端、大きく息を吐いてしまった。
あー、緊張した。
有星が好きだから、一緒にいたいけど、有星が、私をどう思ってるのかを聞く勇気もなくて、どんな態度で接していいのかわからない。
「あー、もう、どうしよう」
「何が?」
「え?……あ、有星っ」
振り向くと、不機嫌そのものの表情をした有星が、部屋の入口にもたれていた。
「なんで、なんで有星が……私、今から宿題するし、遊んでられないんだけど」
慌てる私を、じっと見下ろしたまま、有星は眉を寄せた。
「ふーん。じゃ、俺も桜の事が好きだって言わなくてもいいんだな」
「……は?」