飼い犬に手を噛まれまして

「俺も深陽も……自分たちの親がライバル社を経営してるなんて、全然知らなかったんです。

 先に深陽が社会人になって、それを知ってしまってから、深陽が何となく態度変えて、それまで本当に上手くいってたんですよ。

 稼ぎなんてないくせに結婚してもいいと思ってました。深陽しかいないって……」



 小さく頷いた。

 ワンコなら、そう考えたと思う。


 でも、深陽さんは?


「深陽は、結局俺より仕事をとったんです。
 
 それに成果も出してる。今は、いくら俺がみはるに何を言っても、アイツは聞く耳持たないって……わかってました。


 でも、俺は、深陽が好きです。バカみたいに諦め悪いし……カッコ悪い……」



「カッコ悪くなんてないよ! 深陽さん好きだっていうワンコ、最高にカッコいいよ!」



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