飼い犬に手を噛まれまして


 先輩が舞台から降り、会社の代表としてヒゲモジャ専務が祝辞を述べて授賞式が終わり、レセプションパーティーが始まる。

 郡司先輩の周りには、メディアやマスコミ、それから沢山の人だかりで、全然近づけそうにない。


 それを遠巻きに見ながら、萌子先輩と朋菜とシャンパングラスを傾ける。


「それで、副社長と羽根深陽は今日はどうしたの?」


「受賞しないのわかってたんですかね。二人ともシンガポールに行ったままなんです。一度しか電話くれないんですよ。あれだけお世話してあげたのに酷い話ですよ」

 深陽さんは支社長を続けているし、星椰はシンガポールのデザイン学校に通ってるらしい。


「紅巴とワンコの関係って、本当に可笑しいよね。男と女と見せかけて基本ペットと飼い主なんだから」

「ふーん、私にはよくわからないけどね。でも、副社長は確か一度帰国したでしょう?

 濱中さんから聞いた話だと、勝手にSKMに侵入して、郡司くんの作った作品を盗み撮りしてたってさ。やっぱり最初から羽根深陽のスパイだったんじゃない?」


「えーっ!!! あの子、そんなことしたんですかーっ!!!」



 うわー、やられたー!






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