飼い犬に手を噛まれまして

「元気だよ。みはるに会いたがっていた。

 次の休みには一度帰ってきなさい」


「はい」


「夜は、みはるの部屋で手料理でも振る舞ってくれ、お母さんもみはるが外食ばかりしてないか心配してた。

 ちゃんとした生活してるところ見せてくれないと安心して帰れないからな」


「ちゃんとやってるわ」


 余裕で笑い返して、星梛をホテルにやってよかった、と安堵する。


「お父さん、ホテルは予約してあるの?」


「ああ、秘書も連れてきてるからな」


 そっか……残念て顔して、やっぱり安堵している自分がいる。


「それに明日には日本に帰らなくてはならないし、みはるも忙しいだろ? 本当は観光でも行きたいところだ」


「仕方ないわ、お父さん急にいらっしゃるから……そうだ! 今度お母さんも連れて来れば?」



「そうだな、それもいい」


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