飼い犬に手を噛まれまして

「ちょ、ちょっと待ってください!!」


 だけど、時すでに遅し、ワンコの足に鞭が当たって、腕には蝋が落ちた。


「ふんんんっ!!!」


「で、あんた、この男の彼女か?」


 両脇の女王様に責められて叫び声にならない叫び声をあげているワンコと私の間にミーナ様は仁王立ちした。


「ち、違います。私は、ワンコの友人で、彼の恋人はみはるさんです」


「みはる?」


 ミーナ様は何かを考える素振りで顎に手を添えると、試すように私を睨みつけてきた。


「ワンコが何か悪いことしたんですか? 社長の命令かもしれませんけど……こんなのあんまりです! ワンコとみはるさんは、お互いに強く惹かれあってます。別れることなんて、絶対にできません!」


 はあはあ、と肩で息をつく。

 ミーナ様の後ろにいるワンコも辛そうな顔して、肩で息をしている。


「あぁ、鳥肌……たってるわよ。こういうの意外と好きでしょう? ねえ、スミレちゃんもそう思わない?」


 リオ様と呼ばれていた女王様が指でワンコの頬をなぞる。

 とにかく、楽しそうだ。


 ワンコ、ごめんね。今助けてあげるから……





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