飼い犬に手を噛まれまして

 ワンコ絶体絶命の大ピンチ。


 両脇の女王様の一人が羽みたいなもので、ワンコの首筋をくすぐっているから、ワンコは「んっ! んんっ!」と涙目のまま叫び声をあげてる。


 それをもう一人の女王様が「あら、聖夜より可愛い反応。楽しいわ」なんて言いながら、人差し指でワンコの頬と首筋を撫でた。


「私、コーヒーいれてきますね」と事務員の町田さんは、明るく部屋を出ていく。


 私は、町田さんが「ミーナ様」と呼んでいた女王様と対峙することになってしまった。

 ミーナ様は、背も高く迫力ある美人だ。目に力があって、さらさらの髪はみはるさんに似ているかもしれないけど……だからといって、みはるさんの代わりになるわけがない。


「んーっ!」

 ワンコのシャツの隙間から、女王様が手を差し入れたらしい。


「あ、リオ様狡いわ。私も!」

「可愛いわね。反応が新鮮。これも使っちゃおうかしら」

 リオ様と呼ばれた女王様が腰に巻きつけていた鞭を手にした。

 それがワンコの眼前でひゅんとしなると、隣にいた女王様は負けじとキャンドルスタンドを手にした。


「ん! んんんっ!!」


 ワンコははちきれんばかりに首を左右に振って必死に拒絶しているけど、



 

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