飼い犬に手を噛まれまして

「ワンコの通ってたお金持ち大学には、色んな人がいたんだね」


「はい、聖夜さんは自然体なのにかっこよくて、自然体だからたまに残酷なことする面白い人で、仲良くさせてもらってました」


「そうなんだ……ねえ、ワンコが誘拐された時、社長の仕業かと思った。また、みはるさんと別れさせるために何かされたんじゃないかって心配だったんだけど」


 ワンコは、隣でむっとした顔をした。お父さんの話をすると、いつもこの顔になる。


「わかってますよ。仲直りしろって言いたいんでしょ? でも無理なんですよ。俺がみはるといる限り、あの人は俺のことを許さない」


「許さないんだったら、副社長になんてしないと思うけどね」


 ワンコは、むっとした顔のまま黙った。



「でも難しいよね。商売敵の娘と自分の息子が付き合ってたら心中穏やかではいれないよ。だけど、親子ってそういうこと関係ないよ。

 周渡さんが言ってたけど、最近社長は世襲にこだわらなくなったから、ますます会社が活気づいてきたってさ。
 
 ワンコがそれでいいならね。仲直りだけしてみたら?」




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