飼い犬に手を噛まれまして


「顔、真っ赤だぞ?」


「すみません……先輩にこんなこと言われるなんて想像すらできなくて……頭がおかしくなりそうです……」


 先輩がクスクス笑いながら、私をますます強く抱きしめる。



「そうだよな。俺も、まさか茅野を誘うとは想像してなかった。

 だけど、お前って、なんか安心できるんだよ……もっと知りたいんだ」



 嬉しい……郡司先輩が私をそんな風に見てくれているなんて……

 でも、本当に私は先輩を安心させられる存在なんだろうか……



「今まで、俺が求めてきた女とは全然違う…………続きは、今夜ゆっくりでいいか? 仕事中だし」



 先輩から解放されると、机に両手をついてゼイゼイと荒い呼吸をした。



「そんな緊張するなよな。もっとイジメたくなる」


「そ、そんな……私しんじゃいます」

 


 

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