乱華Ⅰ【完】
じーっと私とタクを見続ける蓮に、次第に私の眉間に皺がよる。
一体なんだっていうんだ。
見ず知らずの初対面にここまでガン見される筋合いはないんだよ。
「心ちゃん」
「あん?」
「見過ぎだから。……蓮も」
ポンと肩に手を置かれて気づく。
私までもが蓮をガン見していて、私と蓮は睨み合ったかの様になっている。
蓮は正宗の言葉にハッとして「悪ぃ」謝罪するから私も「…ごめん」呟いた。
私の真横にいたタクは気づけば颯人と司と3人何やら地図を広げて話し合っている。
そこに奏多さんと碧も混ざってあーだこーだ言っていた。
「…何、してんの?」
正宗に促されて設置してあるソファーに腰を降ろすも、あの倉庫と若干違うここに落ち着かなくて聞いてみた。
「今日のプラン練ってる」
「……プラン?」
「そうプラン」
「正宗さ、まさか言ってねぇの?」
蓮が私の向かいに座り、にこりエセスマイルを浮かべる正宗に、苦笑いを零し頬を掻く。
言ってないって何を!?
私何も聞いてないんですけど!?