女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~


「灯台元暗しって、知ってる?」

 桑谷さんは肩をすくめて困った微笑をした。

 まさかそんな、警察が彼に使われるだなんて思わなかった・・・。そんな世界は勿論知らない。だけど、本当にこの男といると驚くことばかりだ。

 私は裸の彼の腕を人差し指でつんつんとつつく。

「パソコンでどうやって調べるの?」

「携帯会社の電波塔に情報を送って位置情報をハックした」

 ・・・・わお。何か、具体的には全然判らないけど、何しか凄い。私が目を丸くして聞いていたら、その様子には気付かないで彼が続けた。

「それですぐに来たら・・・まるでビキニみたいな格好で、君が部屋の掃除をしていた」

 あははは!私はあの時の格好を思い出して、頷いた。確かにビキニみたいな露出度だった。

「驚いてるようには見えなかったわよ。あなたはすごく不機嫌な顔をして私を睨みつけていたんだから」

「内心はドキドキだったんだ」

「どの辺に?」

「胸元とか太ももの辺りに」

「そして、あっさり誘惑されちゃったのね」

 私が笑って茶化すと、彼も仕方ないなという風に笑った。それから大きく息を吐き出す。

「俺は今日しか休みがなかったから、君が近くに居なかったら本当に困るとこだった。今日見つからなかったら本気にならざるを得ない。そしたら仕事どころじゃない」


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