女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
夜の中を散歩していた。
もう暗がりで斎に襲われる危険性はなくなったし、今日、太陽が高い間は抱き合ったり話しをするのに全部使ってしまったからだった。
夜風がさらさらと体を通り抜ける。
しばらく静かに歩いていたけど、街中の公園に来た時、桑谷さんが、あ、と声を上げた。
「そういえば、守口が捕まったのは知ってるのか?」
私は頷いた。
「知ってる。昨日、テレビで見た。・・・最後にもう一度会えたら、ピンヒールで顔を踏みつけて罵ってやりたいわ。私、神社であのバカに言われっ放しだったもの」
「――――――何て言いたいんだ?」
ゆらりとこちらを見て桑谷さんがいう。
私はハッキリと即答した。
「くたばれ、くそ野郎!!」
マジマジと私の顔を見た桑谷さんを見上げて、私はにっこりと笑って見せる。
彼はちょっと情けない顔をして、あーあ、と呟いた。
「・・・君の口の悪さには仰天させられるな。その顔で、何て言葉を」
「斎の・・・あのバカの影響も大きかったと思う。でも、そうね、私は多分元々口が悪い。ついでに、足癖も悪いんです」
ああ、と彼は頷いて、口をきゅっと上げたやんちゃな笑顔になった。