pianissimo.
「ねぇ先輩……一つになろっ?」
どうして……。どうしてライガの掠れた声は、こんなにも色気があって甘いんだろう。
思考が止まる。というか、思考を手放したくなる。
全てをライガに委ねてしまいたくなる……。
「だから、断っていいって言ってんのに」
カチコチに凍結して口すら動かせなくなってしまった私に、ライガが優しく囁く。
「断る理由なんか……ある?」
ようやく口にできたのは、そんなトンチンカンな言葉。
「いくらでもあると思うけど?」
ライガがまたおかしそうに笑う。何がおかしいの? 断る理由なんかないに決まっている。私の気持ちは――気持ちだけが勝手に、もう後戻りできないところまで来てしまった……そんな感じなんだから。
「断る理由なんか一つもないよ」
言って、ライガの背中に両腕を回し、全力で抱きしめ返した。