pianissimo.
「びっくりした。私のこと言われたかと思った。そんな訳ないっ……か」

どうせ思い上がった凄まじく厚かましい私の勘違いはバレている。開き直って笑い飛ばしてやった。



「ああ……うん、ごめん。けど凛子ちゃん、正直だよね?」

屈託ない笑顔でライガが口にした言葉は、何故か私に同意を求めるような疑問形。というか、嘘でもいいからちょっとは否定して欲しかった。



(凛子ちゃんもキレイだよ?)

(またまたー、もういいって、そういうのー)

――てな具合に…………なる訳ないか。




「ねぇ凜子ちゃん、何組?」

しゃがんだまま上体を更に前屈して、私の顔を覗き込みライガが問う。私になんか微塵も興味ないくせに。


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