pianissimo.
けれどライガはバカにするような素振りは一切見せず、

「じゃ、俺も乗せて」

と、また屈託なく笑って、それが当然の成り行きかのように涼しげに言う。


どうして? なんで? 何言ってんの? この子……。



「あの……ライガくん、今日一人? というか……そんなことしたら、彼女が嫌がると思う……」

しどろもどろにチクリと指摘してみた。間違っていない……はず、うん。



「なんで俺の名前知ってんの?」

「いや、逆にどうして知らないと思うの? そっちの方が謎なんだけど」

「なんで彼女いることまで知ってんの?」

「だから……」


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