pianissimo.
ライガは誰の擁護も必要としていない。ましてや、何の取り柄もない私みたいな女子の擁護なんか……。


それでも、ライガは他人のことばかり気遣い、誰かの為に平気で自分が犠牲になる。彼のそんな所に、私は『弱さ』を見た気がした。

だから、守りたいと思った。



その『弱さ』を――
私が補いたいと思った。




「うわっ!」

砂利道に差し掛かり、ハンドルを取られたらしいライガが短く声を上げた。不安定にグラつく自転車に、私も思わず「ひゃっ」と小さな悲鳴を漏らしてしまう。


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