pianissimo.
「どういたしまして」

素っ気なく返した。早くどこかへ行って欲しい。彼女も良い気持ちしないだろうし。何より私が居心地が悪くて仕方がない。お昼休み、ここは私の定位置なのに。


クルリと身を翻して、ライガ達に背を向けた。そうして水遣りの続きを再開する。水しぶきが澄んだ空気の中を華麗に舞う。晴れた日のいい匂いがする、空気が美味しい。



「元気んなったんだな、良かった」

ライガが一歩踏み出して私の隣に立った。何やってんだコイツ、と思う。


見上げて訝しげな視線をやれば、ライガは「ん?」と不思議そうに小首を傾げ、何をどう解釈したのか、

「いや、花。復活した……ね?」

と、苦笑しながら言う。


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