待ち受けカノジョ。
……ハッ!!


「あら、目が覚めた?」

知らない女の人がオレの顔を覗き込んで、ニッコリ微笑んでいる。


白いナース服。

白い天井。

消毒液のにおい。


ああ、ここは…病院か。


起き上がると、後頭部にビシッと痛みが走った。

「イテッ!」

「あ~、もうちょっと横になってなさい」

さっきの看護師さんが忙しそうに動きながら言う。


ん?

なんか後頭部に違和感。


「ああ、アナタの頭ね、ちょっと裂けてたから。とりあえずサクッと縫っといたわよ、4針!」

「えっ、4針!?」

反射的に自分の手で確認。


でかいガーゼがベッ!と貼ってある。

うっ、うえ~~~

自分のことながらキモイのですぐ手を離した。


「さ!病室に行くわよ!」

「病室?」

車イスをカラカラと押してくる看護師さん。

「今日はここにお泊りね!乗って?」

お泊りって、入院ってことか。

うわぁ、最悪…


「いいです、オレ歩けますから」

ベットからおりた瞬間、ふわぁっと立ちくらみがして足がよろけた。

「ホラ!だから乗りなさいってば。轢いちゃうぞ?うりゃうりゃ!」

車イスをグイグイと押し付けてくる看護師さん。

「わ、分かりましたって!乗りますってば!」
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