待ち受けカノジョ。
ふざけた感じの看護師さんに押してもらいながら、白い廊下をカラカラと進む。


なんか、情けねぇ…


「あなたのお父さん、もうすぐ来るよ」

思いがけない看護師さんの言葉に驚くオレ。

「えっ?何で父ちゃんと連絡ついたんですか?」

後ろからクスクスと笑い声が聞こえる。

「見ちゃったー!あなたの携帯」

「ええマジですかぁ…?」

どこまで自由なんだ、この人。


「ついでに彼女にも連絡しようと思ったけどさー、誰が彼女だか分かんなかったわよ!あなた、女の子の名前が多すぎ!アハハハ!」


ハハハって…


勝手にいる感じになってるけど、オレ彼女いねーし。


「でも、待ち受けの子はカワイイね。あの子が本命?」


えっ、待ち受けの子って?

今はただのカレンダーに設定してあるハズだけど…
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