待ち受けカノジョ。
「なんで早く言わなかったの?」

「ごめんね。なかなかキッカケがつかめなくて…」


ああ、

やっと気付いてくれたんだ。

嬉しい…!


「奈緒」

「うん?」

「最近、ずっと具合悪いでしょ?」


えっ!そっちか。

なんだ

『あのこと』じゃなかったんだ。


「うん。ちょっとだけね、へへっ」


笑ってごまかしたけど、実はちょっとじゃない。

今だって作り笑いするのがやっとだもん。


「体の方の様子はどうなんだろ?」

あんまり良くない状況なのは、分かる。

「明日病院行こうね」

「うん」


でも、怖い。

見たらハッキリと自覚してしまいそうで。


死が、近づいてる事を。



「あ!ゴメン。ちょっと用事。奈緒は先に寝てて!」

バタン

部屋のドアが閉まる音がした瞬間、私はパタッと倒れ込む。


はぁ…


意識して息をしないと、呼吸が止まってしまいそうだ。

頭がボーッとする。


怖い。

怖いけど、

覚悟しなきゃ…


滝山くんと一緒にいられるのも、

あと少しなのかもしれない。
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